「DA-100」は、USC DACの中で、この冬一番の、注目作です!
見て、聴いて、触りました!
10万円を大きく割り、税込で71,400円と、非常にリーズナブルな価格設定で登場しました。
主な機能は兄貴分の「DA-200」をそのままに、機能をシンプルにして、サイズもコンパクトになった弟分が「DA-100」です。
基本的な設計は「DA-200」と共通すると言うことなので、音質面におけるアドバンテージが大いに期待できそうです。
箱から出ました!
小さい!でも重い!(2.3kg)
そして、デザインは小さくてもLUXMANらしさ炸裂!
通電してみました。
赤色の表示窓が格好良いです!
DIGITAL FILTERを押すと二つのフィルターが切り替わるのを表示窓で確認できるようになっています。
背面の画像です。
電源スイッチが背面に用意されています。
「DA-200」と比較すると、必要十分な入出力端子です。
USB-DACとして、非常にシンプルになりました。
大き目のAC電源コードが使用できるところが、ポイントが高いです。
端子もそれぞれ離れて配置されており、大きめのプラグを使っても干渉しません。
ライバルと比較してみた
先行して、展示を開始していたTEACの「UD-H01」と並べてみました。
「DA-100」と、「UD-H01」の価格差は、約2万円程度。
「DA-100」の方が、やはり物としての質感は高く感じられます。
DA-100の横方向のコンパクトさが印象的です。
背はちょっとだけ、DA-100の方が背が高いです。
2台を並べて背面の画像です。
TEACの「UD-H01」にはアナログXLR出力が搭載されています。
LUXMANの「DA-100」にはXLR出力がありませんが、RCA端子が明らかに堅牢で、上質なパーツで構成されていることがわかります。
足回りの画像です。
「UD-H01」には、簡単ですが、プラスチックとゴムによる足が付属しています。
「DA-100」には、足がありません。付属品として、ゴムプレートが付属するので、それを足として使用するように設計されています。
足が無い分、底板は非常に堅牢な印象です。
「足なんてただの飾り・・・」はオーディオでは通用しません!
実は、デスクトップPC環境を考慮して、縦置きの配置も出来るように、足は、敢えて自由に取付可能なように設計されているそうです!
早速縦置きしてみました。
高さが幸いして、非常に安定感があります。
成程、コレはこれでアリかも。
しかし、この配置では、ラックスマンのロゴがますますパックマンみたいに見える・・・。
ひっくり返したついでに、蓋を開けてみました。
六角レンチで簡単に取り外しが可能です。
外板が堅牢でびっくり。
TEACの「UD-H01」がプラスチックな佇まいなのに対し、風格を感じさせるゴツさを漂わせています。
外版は折り曲げの一枚物で、平面が多いです。
この外板にステッカーを貼ったりして、痛仕様にするオーナーが沢山現れそうです・・・。
個人的には、ロの字型の外箱を自作して、ノスタルジックなDAコンバーター仕様にカスタマイズしてみたいです。
中身を覗いてみました
中身がぎっしりと、三次元的に詰まっています。
ACインレットは、残念ながら基板立ち上げで、交換はできそうにありません・・・。
その他の配線も、パーツや基板から直出ししてあって、これも、交換できそうにありません・・・。
でも、ヒューズは簡単に交換できそうです。この小さな基板上に5箇所も大きめのヒューズが確認できます・・・。
機会があれば、ヒューズの交換による、音質のチューニングにも挑戦してみたいですね。
中も覗いてみたので、早速オーディオシステムにつないで、試聴に移ります。
いよいよ試聴です!
試聴機材10万円しないUSB-DACを評価するのに、この構成はどうか、と思われるかもしれません。SACDプレーヤー ESOTERIC K-01
プリアンプ GOLDMUND MIMESIS 37 Signature
パワーアンプ PASS XA160.5
スピーカー JBL ProjectEVEREST DD66000
試聴ソフトBEST AUDIOPHILE VOICESZ and more...
でも、毎回この組み合わせで試聴している関係上、比較がとてもしやすいのです。
まだおろしたてで、エージングが終わっていない状態ですので、音の印象は今後間違いなく変化するでしょう。
♪ DAコンバーターとしての評価 ♪
まずは、DACとしての性能を確認しました。
ESOTERIC K-01からデジタル同軸でデジタル出力、それぞれのデジタル同軸入力にインプットして、DA変換後、プリアンプに接続します。
ちなみに、「K-01」直接の方が、サラリとしていて、クリーン&スムーズで、圧倒的に音に実在感がある、という事を改めて実感させられました。
明らかな物量の差を感じます。ある意味、価格の差を実感できたのは、得難い経験でした。
「DA-100」
「DA-100」に繋いだ途端、音にLUXMANらしい潤い、深み、凝縮感が加わります。「UD-H01」
少しウェットな表情等、健康的な色気も感じられて、とってもラックスマンらしさに溢れています。
中域にエネルギーがギュッと集まっているのも好印象で、バラードの音源により味わい深さと哀愁を感じました。
「UD-H01」に繋ぎ直すと、小さなESOTERIC!という印象の音に変化しました!DAコンバーターとしは、情報量、音の品位など、ほぼ同等という印象があります。
空間の広がりは「DA-100」よりも拡がって感じますが、どちらかと言えば、淡白なサラリとした印象で、ボーカルが軽やかに感じられます。
「UD-H01」が若手のエソテリックのスタッフの技術提供を受けた、という事前情報が、頷ける音作りです。
強いて言えば、「DA-100」の音のほうが、濃厚で力強い印象があります。
他社のライバル機と比べても、この濃厚な世界観は、強力な個性として、アドバンテージがあるように感じます。
♪ ヘッドフォンアンプとしての評価 ♪
次に、ヘッドフォンを繋いで、ヘッドフォンとしての評価を行いました。
使用ヘッドフォンAKG Q701
DENON AH-D7000
AKG Q701を聴いてみた
「DA-100」
「DA-100」を 「Q701」に繋げると、ボリュームをほぼ9割近くまで上げると、迫力ある音量になりました。「UD-H01」
オープンエアの開放感のあるサウンドと、「DA-100」のラックスらしい、しっかりとした音のエネルギー感がマッチします。
非常に音数が多く、賑やかで、楽しく、華やかに感じられるサウンドです。
「UD-H01」を 「Q701」に繋げると、ボリュームをフルボリュームにして、ようやく迫力ある音量になりました。「DA-100」にはヘッドファンアンプとしての、余裕を感じさせました。
「DA-100」と比べると、色彩感があっさり系に振られて、メリハリよりも、全体の見通し優先といったサウンドです。
ただ、フルボリュームにしないと迫力を感じなかったのには、使い心地的には、少し不安を感じてしまいました。
クラシック音楽等は、ダイナミックレンジを稼ぐ為に、音量が全体的に少なめです。
この音量では、迫力不足に陥りそうな懸念があります。
DENON AH-D7000を聴いてみた
「DA-100」
「DA-100」を 「AH-D7000」に繋げると、ボリュームをほぼ7割近くまで上げると、迫力ある音量になりました。「UD-H01」
密閉型のDENONらしい凝縮感のあるサウンドと、「DA-100」のラックスらしい、しっかりとした音のエネルギー感がマッチします。
非常にゴージャスで、折り目正しさを感じさせる正統派のハイファイサウンドです。
「AH-D7000」は、ヘッドフォンアンプをしっかりと選ばないと、低域がぶよぶよの、ゆるーい音になります。
でも「DA-100」は、見事に低域のエネルギー感をパワフルなサウンドへと昇華させています。
「UD-H01」を 「AH-D7000」に繋げると、ボリュームを9割くらいで、迫力ある音量になりました。
「DA-100」と比べると、色彩感があっさり系に振られて、メリハリよりも、全体の見通し優先といったサウンドです。
「AH-D7000」が元々分厚いサウンドなので、音が良い具合にほぐれて、音のディティールが細かく感じられるように思いました。
この組み合わせでは、「UD-H01」でもまだ音量に余裕があり、実用上問題は無さそうです。
試聴を振り返って
「DA-100」と「UD-H01」とをライバル対決、といった形で、短時間ですが、比較試聴しました。
DAコンバーターとして
DAコンバーターとしては、両者のクオリティーは、ほぼ互角でしょう。ヘッドフォンアンプとして
音の好みで選んで頂きたいと思います。
どちらも、10万円以下のDAコンバーターとは思えないレベルの高さを感じました。
強いて言えば、「DA-100」は極めて濃厚な音作りです。
全体的にあっさりさっぱりした音の傾向が多いUSB-DACの世界で、ユニークな存在感を発揮しそうです。
ヘッドフォンアンプとしては、アンプとしての余裕を感じさせた「DA-100」の方が、お薦めし甲斐がありそうです。
今回AKGの「Q701」を試聴機として使用しましたが、「Q701」は比較的アンプのパワーを要求するヘッドフォンです。
普通のヘッドフォンと組み合わせる限りにおいては、「UD-H01」が音量不足に陥るという事は、あまり起こらないだろうと思います。
ヘッドフォンアンプの出力について(おまけ)
ちなみに、ヘッドフォンアンプとしての出力は下記の通りです。
「DA-100」 130mW+130mW(600Ω)、80mW+80mW(32Ω), 40mW+40mW(16Ω)これを見ると、32Ω換算では、「UD-H01」が「DA-100」のほぼ半分の出力しか無いことがわかります。
「UD-H01」 45mW + 45mW(32Ω)
参考までに、ラックスマンの「DA-200」とヘッドフォンアンプ「P-200」の出力は下記の通りです。
「DA-200」 130mW+130mW(600Ω)、80mW+80mW(32Ω)、40mW+40mW(16Ω)「DA-100」と「DA-200」は出力は同じですが、「P-200」は6倍近くのパワーの差があることがわかります。
「P-200」 2W+2W/8Ω、1W+1W/16Ω、500mW+500mW/32Ω
この数値上のスペックの差を見てしまうと、超高性能ヘッドフォンを使う予定であるのであれば、ヘッドフォンアンプは別に欲しくなってしまうかもしれませんね。
逆に言えば、ヘッドフォンアンプを別に購入する前提であれば、「UD-H01」は「DA-100」よりも2万円ほどお求め安い価格設定になります。
安くて素性の良いDACとしてお選び頂くことが出来そうです。
DA-100 の主な特徴
・ | A5書類サイズのコンパクトな2チャンネルPCM方式のD/Aコンバーター。 |
・ | DACチップには32bitプロセッシングと高品位なバッファーアンプを内蔵したバーブラウン製最新チップPCM5102を採用。 |
・ | 簡単に切替え可能なFIRとIIRの特性の異なる2種類のデジタルフィルターを搭載。 |
・ | USB端子(B型)を装備し、PC/Mac等からのUSBデジタルオーディオ信号を入力可能。 |
・ | デジタル入力は、32kHz〜192kHzのサンプリング周波数 (USBは96kHzまで)と、16bit、20bit、24bitの量子化ビット数に対応(USBは16bit、24bitのみ)。 |
・ | USBを含むデジタル入力をスルー出力可能な、デジタル出力を装備(DDコンバーター機能)。 |
・ | 上位機種DA-200 と同等の高品位なヘッドフォンアンプ回路を内蔵。 |
・ | 発振周波数付近のノイズを低減した低位相雑音クロックモジュールの搭載。 |
・ | デジタル入力は、内蔵するDAIRの高精度クロックにより低ジッター化。 |
・ | 視認性に優れた3桁の7セグメントLEDによるサンプリング周波数表示。 |
・ | ラックスマン伝統のラウンドパターン配線基板やオリジナルカスタムパーツ等をふんだんに採用。 |
・ | 大型プラグの接続に対応した18mmピッチ金メッキ仕上げのRCA出力端子を装備。 |
・ | PCとのUSB接続はWindows XP以降、MacOS10以降の各OS標準ドライバーに対応。 |
・ | 付属のレッグ(足)を側面に取り付けることで本体の縦置きも可能。※表示は切り替わりません。 |
【 スペック 】
形式 | 2チャンネル・D/Aコンバーター |
対応サンプリング周波数 | COAX/OPT入力: 32kHz、44.1kHz、48kHz、88.2kHz、96kHz、176.4kHz、192kHz USB入力: 32kHz、44.1kHz、48kHz、96kHz、※各16〜24bit 2ch PCM |
デジタル入力 | USB(B型)、OPT、COAX |
デジタル出力 | COAX、OPT |
アナログ出力 | RCAアンバランス1系統(18mmピッチ)、ヘッドフォン1系統 |
ライン出力電圧/インピーダンス | 2.1V/300Ω |
ヘッドフォン出力 | 130mW+130mW(600Ω)、80mW+80mW(32Ω), 40mW+40mW(16Ω) |
周波数特性 | 2Hz〜60kHz(+0,-3.0dB) |
全高調波歪率、S/N比 | 0.004%、112dB |
付属装置 | [フロントパネル部] インプットセレクター(USB/ OPT/COAX)、 サンプリング周波数表示(32、44.1、48、88.2、96、176.4、192kHz(3桁7セグ赤色LED))、 ボリューム、ヘッドフォン出力端子、デジタルフィルター切替スイッチ [リアパネル] 電源スイッチ、ACインレット、USB入力端子、COAX入力端子、 OPT入力端子、COAX出力端子、OPT出力端子、アナログ出力端子(RCA) |
消費電力 | 7W(電気用品安全法) |
外形寸法、重量 | 149(W)×70(H)×232(前面ノブ14mm、背面端子8mm含む)(D)mm、2.3Kg |
付属品 | 電源ケーブル |
タグ:USB DAC